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人間ドックを柱とした健康づくりのご提案

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講師紹介

護山 健悟 先生
東海大学医学部
付属八王子病院健康管理センター
基礎心療系健康管理学准教授
医学博士



日時

平成25年7月25日(18:30~20:30)

会場

日本生命八王子 八王子営業所 研修室

人間ドックを柱とした健康づくりのご提案

人間ドック受診に関するお話し

人間ドックの受診のきっかけとして多いのは、会社からの指示が一番多い。自主的に受ける人は3割弱。反対に人間ドックを受けない理由は圧倒的に費用が高いからである。次に時間がないからなどがある。受診したあとの感想は安心して生活できるようになったという意見が半数以上ある。また、生活習慣の見直しや将来について考えるようになるきっかけにもなっている。人間ドックには多くの種類がある。受けるとき何も受けたらいいのか迷ってしまう。

メタボリックシンドロームと生活習慣病

内臓脂肪蓄積周囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上であり、・脂質異常・高血圧・空腹時血糖の3つのうち2つに当てはまるとメタボリックシンドロームである。不規則な生活習慣が原因で内臓脂肪が蓄積されていき、生活習慣病になってしまう。メタボリックシンドロームをドミノに当てはめ、コマを病気だとした時、このドミノが倒れるとすでに動脈硬化や大血管障害が始まっているということになる。生活習慣が悪いと、がんにもなりやすい。肥満が引き起こす腸内細菌の代謝産物が肝がんの原因になることもわかっている。

特定健診(特定健康診査)

特定健診とは厚生労働省により、平成20年4月から実施が義務付けられた、内臓脂肪型肥満に着目した健康診査である。実施の目的は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を対象に生活指導を行い、生活習慣病を予防することである。メタボリックシンドロームが生活習慣病と密接な関係があるので、それを予防することで医療費の増加を防止しようとしている。

運動で様々な病気を予防する

1、日の摂取エネルギーを適正に
2、栄養バランスを考える
3、ゆっくりと時間をかけて食べる
4、体重を減らす!!
5、歩く、一日一万歩
運動を「週一回未満しか行わない群」と「週1~2日程度の群」について見てみると、男子の20~40歳代では10歳程度、50歳代以降では5歳程度、女子の20歳代では20歳程度、30歳代では15歳程度、40歳以降では5~10歳程度の差が見られた。70歳以上で運動を始めても筋肉は発達し体力も増強するので、運動を始めるのに遅すぎることはない。
 運動の効能

  • 筋肉や心肺系がつよくなり、疲れにくくなる
  • 運動で若返り!
  • 脳内物質レベルの変化
  • 40代後半になっても、運動習慣のない20代前半と同じ体力くらいは維持できる
  • 運動すると交感神経が活性化され、心拍数が上昇し、興奮状態になる。この交感神経優位の時間が増えると意欲的になり、ポジティブな思考になる。
  • 運動でアルツハイマーを予防!
  • 骨が丈夫になる
  • 抵抗力がつく:風邪をひきにくくなるだけではなく、ガンの元となる遺伝子の傷ついた起始細胞を取り除く
  • 寝たきりになりにくい

運動は断片運動より持久運動が効果的である。1日に15分間の散歩を3回行うよりも1回45分の持久運動の方が、日内血糖変動の改善には有効であることなどが示された。激しい運動より、日に1時間、1万歩、週に3~4日歩くことがいい。1年を通じてまんべんなく運動をして、できるだけ動く。

医療費

メタボの人は医療費が平均で年9万円高になっている。メタボと判定された人と、血糖など調査項目すべてで異常がなかった人との差が最大だったのは45歳-49歳女性で、年18万130円多かった。政府は、国民の健康増進と医療費抑制のため、「健康・医療戦略」で、メタボと判定される人を減らすため施策を盛り込む考えである。今の日本の医療システムは戦後の発展途上国において医療を普及させるための「実験」モデルであった。人口構成がピラミッド型であり、経済は成長し、病気になる人は少ないことが前提条件になっているのでシステムは完全に崩壊している。国民皆保険の問題は裕福な人が得をするシステムである。どんなに裕福な人であっても一定額を払えば医療を受けられる。一方、本当に貧しい人は保険料を払えなければ保険資格を取り消されてしまう。日本の医療が変わってきている。医療費をできるだけ使わない医療にし、保険診療はできるだけ控える。医療の分業化が進み、薬のほとんどが薬局で売られるようになり、医者に処方箋を書いてもらわなくても薬が買えるようになる。よって個人への健康管理の負担が増す。個人の医療費の負担が増えるので病気の早期発見が重要になってくる。病気にかかってから治療開始は最善策ではないので病気の予防を強化する。

人間ドックと生活

人間ドックに真面目に取り組んでいる施設で受ける。人間ドックを受診することで生活の質を変える。生活の質は年齢を重ねると個人差が大きくなってくる。人間ドックの結果を今後の生活にどう活かしていくかが鍵になる。人間ドックの検査結果説明は受けて、どこを改善していくべきなのか、どうやって改善していくかをはっきりさせる。これがなければ人間ドックを受ける意味が半減してしまう。
年に一度は人間ドックを受けましょう!!


参加者の声
□ 毎年受診していますが、改めて継続していきたいと思いました。毎回毎回運動の必要性を痛感しています。
 人間ドックを軸とした幅広い内容で勉強になりました。

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