そばにいたあなたが心肺停止の方の命を救う
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講師紹介
秋広 良昭先生
日大松戸歯学部兼任講師 歯科医師
労働衛生コンサルタント㈱パタカラ代表取締役
日時
平成25年10月24日(18:30~20:30)
会場
日本生命八王子 八王子営業所 研修室
そばにいたあなたが心肺停止の方の命を救う
AREとは
誰でも簡単に使えて確実性の高い救急救命に有効な気道確保器具のこと。名前の由来は「Amazing Rescue Expectations」の頭文字を取り、ローマ字読みにして「あれ」となりとっさの時に出てくる簡単なものにした。
高齢化社会
2060年には4人に1人が75歳以上になる。よって今後高齢者に対してどのように対応していくかが大事なことになってくる。生産人口が減っているのに高齢者が増えたということは当然若者が減っているということ。高齢者の労働力は必要とされているので働いている高齢者は多くいる。特に建設業で働いている高齢者が多いので事故などでの死者数も増えている。
どうして無意識の時に呼吸が止まってしまうのか
高齢者になり脳の働きが弱くなると筋力が落ち、寝ている時に舌が下がってしまうようになる。若い時にいびきをかいていなかった人がかくようになるのはこのためである。
意識喪失するとすぐに筋力は低下する。そうすると重力方向に筋肉が垂れ下がっていく。仰向けで寝ていると垂れてきた舌根によって気道が塞がれてしまう。
AREの活躍の場
AREの活躍の場。心肺停止CPRは2~3分以内なら90%助かると言われている。心肺停止になったときはまずA:あご先挙上 B:ブレス C:心臓マッサージ D:電気ショックの「ABCD」を行う。しかしなかなか助けることは難しい。心肺停止の人がいた場合、呼吸が回復すると心臓も動き出すことが多い。人工呼吸は簡単に見えて難しいケースがとても多い。空気はなかなか肺に入らずに胃に入ってしまう。人は意識を失い仰向けになると、舌がだらりと力を失い、その根元が気道に垂れ下がる。そして水や食べ物を飲み込むときに、気道に水や食べ物が入らないように蓋をする軟口蓋を押し下げて気道をふさいでしまう。その状態で無意識に息を吸おうとするので、肺の中の気圧がさがり、舌の根元が気道を吸盤のようにふさいでしまう。だからいくら人工呼吸をしようとして気道を確保しようとしても軟口蓋を開くことが出来ない。この作業は訓練を積んだ救急救命士が特殊な器具を用いなければ難しい。
意識喪失→全身の筋弛緩→舌根の気道内沈下→気道閉鎖→呼吸停止が起こる。そこでAREが活躍する。AREで舌の筋のところを押して舌を丸まらせて空気の通り道を作ってあげる。そして、遮蔽板を付けて少しでも多く空気が入るようにした。その結果これを使うと呼吸回復に大きく役立つ。
参加者の声
★興味深いお話でした。実際にAREを手にとって見るとより理解が深まるように思いました。
★心肺停止の存命率の低さに驚きました。このような器具が早く普及する日が来るように祈っています。