「わかりやすい『脳』の健康の話」
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講師紹介
菅原 道仁 先生
菅原脳神経外科クリニック 院長
演題
「わかりやすい『脳』の健康の話」
日時
2019年12月18日(18:30~20:00)
会場
日本生命八王子ビル8階研修室
主催
公益財団法人 日本健康アカデミー
人間の脳
人間の脳はコンピューターとは違い曖昧に物事を覚え、かつ忘れやすくできている。一方コンピューターは物事を正確に記録して、それを消さない限り記録は残るよう出来ている。だがその代わりに、一文字間違えると変換できないなどの融通の利かないところがある。その点人間は、曖昧に覚えるからこそ柔軟に物事に対応でき、少し文章が間違えていても読むことができる。また、嫌なことを忘れるなど脳を守るために物事を忘れやすくするようできている。なので、物忘れが多くなってきたとしてもそれは決して悪い事ではない。
脳力
脳力とは考える力、頭脳の働きを脳力と言う。脳力は情報を取り込み、その情報を理解し、人にその情報を教える、すなわち表現すると強化されていく。そうすることによって新しいアイデアをひらめくことがでる。アイデアとは0から1を生むのではなく、1+1を3や5や10にすることだという。
脳力強化を実践するHint
Hint1 なるほどは魔法の言葉
- 人は興味がないことは覚えにくいものである。逆に、興味がある物事ほど覚えやすい。なので、情報を取り込む際に「なるほど」と思いながら取り込むとよい。そうすると、脳が勝手に「興味があることだ」と認識する。その結果、物事が覚えやすくなる。
Hint2 明るく・素直に・殻に閉じこもらない
- 様々な情報を取り込むと、脳を若々しく保つことができる。流行は男性もの女性もの関係なく情報を取り込み、さらに理解をするまでが脳を若々しく保つことにつながる。情報を取り込んでそれを好きになることとはまた別の事である。
Hint3 朝日記を書く
- 毎朝5分間、前日の出来事を単純かつ人に説明できるように日記を書くとよい。絵日記にすると色彩なども思い出すことになるのでなおよいそう。そうすることにより、思い出せる力を強化することができる。また、読み返すことで新たなアイデアがひらめくこともある。
嫌な思い出や、失敗したことを書いた後は、「あー楽しかった」で締めくくると脳が勘違いして前向きになれる。失敗したとしてもそれはこれからの糧となるので記録しておくとよい。
Hint4 とりあえず始める
- 人間は体を動かさないとやる気が起きないという。だが、やる気が起きていない状態でもとりあえず体を動かして何かを始めてみると、気づいたらそれに没頭していることがある。これを「作業興奮」という。なので、とりあえず体を動かしてやってみることが様々な経験につながるという。
Hint5 世間とのつながりを持つ
- 街に出たり、旅行をしたりするとよい。それが難しかったら、インターネットを活用したり、ただやりたかったことをやったりするのもよい。そうしていろいろな人と関わる機会を増やすのがさらなる情報の取り込みの増加につながる。
Hint6 YES, WE CAN.
- 「私たちは出来る」と思う。そして何事にも挑戦することが脳力の強化につながる。いろんなことに挑戦することでさらなる取り込み、理解、表現の機会が増える。
認知症を防ぐ「カキクケコ チャレンジ」
上記で述べたように物事を「忘れる」ということは脳の構造上、決して悪い事ではない。だが、「認知症」は日常生活に支障が出てしまい、生活を送ることが困難になってしまうのでなるべく回避したい。そこで、認知症の進行を遅らせるための5つのチャレンジを教えていただいた。
カ 噛む
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味わいながら楽しく食べるには歯がとても重要になってくる。
噛むことと認知機能は連動している。また、歯周病菌は脳にまで影響を及ぼすことが研究で明らかになっている。だからこそ歯を大切にし、噛む力を衰えさせることがないようにすることが大切である。 |
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キ 聞く
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人の話を聞くと、さらなる情報の取り込みを行うことができる。そのためには聞く力が必要になる。
難聴は認知機能の低下を促したり、認知症の長期リスクを増加させたりする。なので、耳が聞こえにくくなったら医療機関を受診し、補聴器等の医療機器を使用するなどの対策をとるとよい。 |
ク 口元
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何事にも楽しむ姿勢を持つ。嫌なことがあり、ストレスを感じても笑顔を作ることを忘れない。
ストレスを感じた際には、口角をあげ笑顔を作ることで脳が錯覚を起こしリラックスすることができる。また、笑顔を作りリラックスした状態で物事に取り組んだ方が、余計な力が入らず良い結果を生み出すことができる。 |
ケ 血管
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血管を労わる。
血管を労わり、脳梗塞や脳卒中などの脳の病気を予防する。また、血管を労わることにより他の病気のリスクも下げることができる。 |
コ 交流
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Hint5でも書いたように人と関わることは脳にとっても、とても良い事である。また認知症対策としては、脳と体を使うような運動や、友人とボードゲームなどをすると良い。
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最後に
何度も書いたように挑戦と人との関わりを大事に、楽しく人生を過ごすことが脳の健康を保つ秘訣となるだろう。