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生涯現役を目指す薬膳ライフ


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講師紹介

和田 暁氏
中国上海生まれ 上海中医薬大学卒業
中医師/薬膳アカディミア主宰/国際中医薬膳管理師会会長
NPO法人日中健康科学会常任理事/東京有明医療大学非常勤講師/社団法人日本中医学会顧問

日時

平成24年10月28日(13:00~20:30)

会場

Turandot 臥龍居

生涯現役を目指す薬膳ライフ

薬膳とは

季節と体質に合わせて未病を治すことを目的としている。未病とは病気に向かう状態のことで未病を治せる医者を名医と呼ぶ。

春の薬膳養生

春は風がすごく吹くので風邪やインフルエンザ、花粉症に効く薬膳が良い。悪寒がするようなぞくぞくするタイプには体を温めるねぎやショウガなどが良く効き、熱があるタイプにはミントや皮付きのごぼうが良い。苦いものが解毒になる。
また、ストレスから肝臓を守るためには
①気の流れをよくする→ミント、カモミール、春菊、ジャスミン
②イライラを鎮める→苦味の山菜、緑茶、三位の果物
③肝臓を滋養する→牡蠣などの貝類、青身魚、レバー

夏の薬膳養生

夏の暑い時期は体を冷やす食べ物が必要。ベトナムや東南アジアなどの暑い地域ではよく食べられている。
【暑熱解消、熱中症予防→苦瓜、きゅうり、トマト、スイカ、緑茶、ウーロン茶】
特にスイカは天然の解熱剤であるため皮まで使える。苦いものや海藻が身体を冷やしてくれる。暑いときは馬肉が良い。
夏は昼の時間が長いから暗くなると分泌される睡眠ホルモンのメラトニンがなかなか分泌されないので寝苦しくなる。
【こころを養い、快眠を保つ→なつめ、さくらんぼ、ベリー類、赤い果物】

梅雨の薬膳養生

梅雨は湿気が強いからむくみやすい。むくみ対策が必要。利尿作用のあるものでむくみを解消する。
【むくみ解消→はと麦、とうもろこしの髭、貝類、白身魚、あずきなど。】
梅雨は夏ほどあつくないから苦いものより少し淡いもののほうが身体に良い。あずきはあく抜きをしないでお赤飯などに入れるのが一番利尿作用があって良い。
雨や湿気が多いと胃腸が弱ってしまう。黄色い食べものが胃腸に良い。胃薬になる。
【胃腸を健やかにする→発酵食品、カボチャ、大豆、きのこ類、柑橘系。】

秋の薬膳養生

秋は空気が乾燥する時期なので呼吸器と皮膚が傷みやすいので潤すことが必要である。乾燥対策のために水分の多い食べ物を多くとることが大事である。
【呼吸気道と皮膚を潤す→梨などの甘酸の果物、百合根、エリンギ、えのき、山芋、ねばねばのもの】
白い食べ物は呼吸気道と相性がいい食べ物である。また、呼吸気道のトラブルが多いから痰も多くなる。
【化痰止咳→大根、かぶ、白菜、はと麦、バナナ、銀杏】
この時期は銀杏をたくさん食べるとすごく良い。

冬の薬膳養生

冬は冷え対策で辛いものや血行をよくするために赤いものを食べる。また、冬は元気を蓄える季節なので滋養強壮に良いものを食べる。ドロドロのものや実が良い。
【冷え予防→香辛料、パプリカ、紅茶、ハイビスカス、酒、コーヒー、酢。】
【滋養強壮→旨味がたっぷりな海の幸、すっぽん、牡蠣、蟹、韮、桑の実、ベリー類、黒ゴマ、栗、くるみ】

それぞれの体質に合わせた薬膳

もともとの体質や住んでいる環境などでそれぞれの人に必要な薬膳は変わってくる。どのような体質で、どのような薬膳が必要なのか知っていることが大事である。

虚血体質をチェックしましょう
・疲れやすい
・手足が冷たい
・舌は淡白色、歯根苔
・風邪を引きやすい、治りにくい
・食が細い、下痢しやすい
・トイレが近い
・汗をかきやすい
【補気の食物で養生】
きのこ類、山芋類、栗、蓮の実、南瓜、発酵食品など
血瘀体質をチェックしましょう
・顔や舌唇の色が青紫っぽい
・顔にそばかすが多い
・頭痛、夜中になるとひどくなる
・生理痛が重い、色が黒っぽい
・あざができやすい
・胸が痛む
・足の静脈怒張
【血行促進の食物で養生】
青味魚、赤い色の花、にら、玉ねぎ、納豆、茄子、蓮根、酢、ワイン。
水分停滞体質をチェックしましょう
・肥満、むくみやすい
・ニキビ、脂性肌
・頭が重い、ボーっとする、昼間でも眠い
・痰が良く出る
・便が柔らかい、よく下痢をする
・舌苔が厚くて、唾液の粘度が高い
・中性脂肪やコレステロール値が高い
【利尿作用の食物で養生】
瓜類、海藻類、竹類、貝類、豆類、根菜類、はと麦茶、とうもろこし髭、ウーロン茶
水分不足体質をチェックしましょう
・痩せて、ほてり、寝汗がよくでる
・舌は赤い、白い苔が少ない
・のどが渇きやすい
・ドライアイ
・乾燥便、尿が濃い、量が少ない
・肌がカサカサ
【水分を潤す食材で養生】
瓜類、葉類、トマト、オクラ、ねばねば食品、貝類、種実類、ベリー類、お茶
気滞体質をチェックしましょう
・落ち込みやすい、うつ気味になりやすい
・情緒の変動で頭痛に悩まされる
・イライラしやすい
・よくため息がでる
・胃腸にガスが溜まっていて、張りやすい
・生理痛、乳腺が張る
・便意があるのに出にくい
・よく肩が凝る
【気の流れがよくする香りの食材で養生】
ハーブ、春菊、ゆず、ジャスミン茶など



参加者の声
初めて薬膳のお話を聞きました。季節、気質によって食べたらよいものがあるのは、とても勉強になりました。今後の生活に取り入れたいです。
セミナーのあとの食事でしたので、味わい方もまた違ってよかったです。お食事はすべてが体にやさしくこれからの家庭での食事作りにも生かせればと思います。

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