もっと知っておきたい乳がんのこと
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講師紹介
栗原 和江 「くまがやピンクリボンの会」代表
元「朝日新聞タウンタウン熊谷」編集長。自身の体験からもっと乳がんに関心を持って欲しいと 2008年5月に同会を設立。日々啓蒙活動に奔走されている。
日時
平成24年5月24日(18:30~20:00)
会場
日本生命八王子ビル 八王子営業所 研修室
乳がんについて
熊谷、ピンクリボンについて
熊谷は小麦生産量が本州一で、日本で一番暑いまちである。くまがやピンクリボンの会はGOROさんが描きおろしたクマの「Winちゃん」をシンボルマークとし活動している。毎年10月は世界的なピンクリボン月間であり、日本でもさまざまな場所でピンク色にライトアップされる。
乳がんの検診率
図1乳がんは手術が治療のスタートと言われている。そのため10年戦争とも呼ばれ、乳がん患者のことを生き残りや生存者という意味でサバイバーと呼んでいる。日本では毎年1万3千人の人が乳がんで亡くなっている。しかし、乳がんは早期発見すれば必ず助かる病気であるので定期的な検診が重要になる。海外の検診率:米国81%、仏国76.7%、韓国61.2%と比べても日本の検診率は23.8%と低い。検診率が50%を超えると死亡率が確実に下がるので、乳がん検診率50%を目指している。
図1は部位別の乳がん発生確率を表してある。リンパ腺に近いため、胸上部の外側は50%という確率になっている。
乳がんに関する間違ったうわさ
こんなうわさを聞いたことはありませんか?
・出産経験があると乳がんのリスクは低い?
・胸が小さければ乳がんにかからない?
・家族に乳がんになった人がいないので心配ない
これらのうわさには根拠はありません。うわさで安心せず、検診で安心を取りましょう。
母親が乳がんだと娘の発症率は50%です。必ず検診を受けてください。
病院、ドクター、治療法の選択等
しこりに気づいて受診しても、医者によっては乳腺が発達しているだけや良性と判断する場合がある。エコーで見ると乳腺は白く映り、乳がんは黒く映る。マンモグラフィーの場合は乳腺も乳がんも白く映るのでAランクの読影医でないと10%の見落としがあると言われている。Aランクの読影医は「マンモグラフィー検診精度管理中央委員会」のHPから探すことができる。また、セカンドオピニオン病院のリストも「ブレストサービス」のHPから検索できる。千葉にある亀田メディカルセンターでは内視鏡手術も行われている。また、個室のパソコンから電子カルテを見る事ができ、気になることや不安なことを打ち込めば担当の医師や看護婦などが返事をしてくれる。
自己検診の仕方
図2図3乳がんは数あるがんの中で唯一自分で発見できるがんである。ひと月に一度日にちを決めて自己検診をする。生理終了の一週間前後がよい、閉経後の方は自分の誕生日の日にちなど毎月何日と決めて行うのがよい。鏡の前に立ち、両手を上げたり下げたりしてじっくり観察する。・左右の乳房の形に変化はないか?・皮膚にえくぼやひきつれはないか?・発赤、浮腫、ただれはないか?(しこりをつくらない炎症性乳がんは皮膚に色の変化などがでる)・乳頭からにごった赤茶色の分泌液はでていないか?次に仰向けになり3本指(人差し指、中指、薬指)を使って脇の下からリンパや乳腺を辿るようにゆっくりとやや力を込めて乳首に向かって進ませる。(図2)「のの字」を描くようにして触るのも良い。
(図3)ベビーパウダーなどを使って、滑らせるようにすると調べやすい。
図引用:くまがやピンクリボンの会
「くまがやピンクリボンの会」の活動
「くまがやピンクリボンの会」支援自動販売機が熊谷市内で置かれている。ソフトドリンクを1本買うと1円から2円の寄付になる。毎年10月に熊谷駅構内でイベントを行っている。このイベントでは実際に乳がん触診モデルに触ってもらったり、選ばれた方に乳がん検診車で検診を受けてもらったりしている。
がんと保険
一生涯で16人に1人が乳がんになり、2人に1人ががんになる。がん患者は20歳代から50歳代までは女性の方が多く、5割以上が「女性特有のがん」である。先進医療で助かる病気が増えたが、医療保険適応外で高額なうえに治療費は前払いになる。抗がん剤も厚生労働省未承認のものだとすべてが自己負担になる。自分は大丈夫と思わずに若い時から検診を受け・保険に入り医療に対する備えが必要である。
参加者の声
□ 自己検診の重要性を痛感しました。
□ 男性として今まで関心があまり無いお話でしたが、本日のお話は大変参考になりました。
□ 乳がんにはいろいろな種類があることが分かった。
□ 乳がんに皮膚からの乳がん(炎症性乳がん)があるということは知らなかった。