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動脈硬化はどうして起こるのか、糖尿病とアルツハイマー型認知症の類似点

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講師紹介

宮川 高一 先生
医療法人社団ユスタヴィア理事長
多摩センタークリニックみらい院長
専門分野:糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症

日時

平成26年11月13日(18:30~20:00)

会場

日本生命八王子ビル 研修室

動脈硬化はどうして起こるのか、糖尿病とアルツハイマー型認知症の類似点

動脈硬化とは

心臓から押し出された血液を受け止めるため動脈はゴムのようにしなやかである。しかし動脈に脂のカスが溜まってくると動脈が硬くなる。年を取ると動脈が固くなり、血液の圧力を柔軟に受け止めることができなくなるので手の血圧が低く足の血圧が高くなる。動脈にカスが溜まり硬くなって血液を受け止めきれなくなり血液がそのまま流れてしまう。そして心臓から遠いほうが血管が細くなるのでその分血液が通る時に圧力がかかる。心臓から遠ければ遠いほど血管が硬くなっていると血圧があがる。

なぜ詰まってしまうのか

なぜ血管が詰まるのか。原因はいくつかあるが、1つめの原因はコレステロールである。コレステロールにはいい面と悪い面がある。カラダを作る上で必ず必要なものだが、必要量より多いとカラダの中で変性して酸化してしまう。酸化したコレステロールはカラダに悪いものなので白血球が食べてしまうが、うまく消化できず、食べ過ぎた白血球の死骸と酸化したコレステロールがどんどん血管の壁に蓄積していく。
 2つめは血管の壁に傷が付いているかどうかである。血管の傷からコレステロールが身体に入ってきてしまう。そこに白血球が集まり死骸がそこに溜まっていく。ぶよぶよの脂かすで出来たコレステロールの塊が増えていく。この柔らかい塊に血流がぶつかり破ける。破けたところを固まらせるための血小板が集まり血管を塞いでしまう。これにより心筋梗塞などが起こる。破けるまで脂のカスが溜まるには数年かかるが、破けて血管を塞ぐのは一瞬である。
 3つめの原因は脱水である。血圧が高くて脱水状態になるのは朝なので心筋梗塞などが起きるのは明け方から午前中が多い。脱水状態だと血が固まりやすいからである。
 他に大きな原因としてたばこがある。たばこのニコチンは血管を縮める作用がある。血管が収縮するときに内壁に傷がつき脂が染み込む傷ができる。またもともと狭くなっている血管がさらに狭くなるとコレステロールの塊が破けやすくなる。

動脈硬化の危険因子

動脈硬化は全ての動脈で起こるわけではなく、直径2ミリくらいの動脈が一番起こりやすい。心臓の動脈が一番起こりやすいサイズである。また、心臓は血管同士の交流が少ないので詰まった時に他の血管から血液を確保できず、詰まった先から死んでしまう。心筋梗塞はさまざまな要因をいくつ持っているかで発症率が変わってくる。動脈硬化は多危険因子症候群である。LDLコレステロール、糖尿病、高血圧、喫煙、HDLコレステロール、血液凝固能異常などをいくつ持っているかで倍々ゲームになっている。ひとつひとつの数値は低くてもいくつもの因子を持っていると危険度は高くなっていく。

メタボリックシンドローム


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内臓脂肪が多いとインスリンが効きにくい。インスリンを体は代償的にたくさん分泌する。糖尿病の遺伝があれば糖尿病・動脈硬化になり、糖尿病の遺伝がなければ動脈硬化になる。脂肪細胞からは動脈硬化を促進するいろいろな物質が分泌される。インスリンが効きにくくなりたくさん分泌されてしまう

高血圧


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太っているとメタボリックシンドロームから高血圧になりやすい。130/110のメタボ型、160/100の塩型、180/70の動脈硬化型などがある。家庭血圧を知ることが最も重要である。病院で測ると正常だが、家にいるとき高血圧の人を仮面高血圧という。起きた時が一番血圧が高く、早朝高血圧の人は注意が必要。よって仮面高血圧が一番危ないので家庭血圧を知ることが大切である。反対に病院だけで血圧が高い白衣高血圧の人は緊張してしまっているだけの可能性が高いのであまり心配しなくても良い。新しいガイドラインでは病院で測る血圧よりも家庭で測る血圧を重視するようになっている。家庭血圧は原則2回測りその平均を血圧とすることになった。
朝の血圧をコントロール目標にしようとすると、日中が下がりすぎる場合がある。収縮期が90-100mmHgまでは良いが、それ以下になる場合や立ちくらみがある場合は投薬を調整する。程よいところを医師と相談しながら決めていく。


認知症




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認知症のうち2/3はアルツハイマー型認知症である。発症の危険因子は、中年期高血圧・糖尿病・中年期肥満・抑うつ・運動習慣の欠如・喫煙・低教育水準等がある。海馬に溜まる認知症の原因物質アミロイドβがインスリンと関係しているため糖尿病だと認知症が3倍になる。アルツハイマー型認知症を初期で発見することができれば、脳の中の記憶物質をなくならないようにする薬が使える。しかし認知症の人は自覚症状がないので早期発見することが難しい。認知症と物忘れの区別として、加齢に伴う物忘れは体験の一部のみを忘れるので体験の他の記憶から物忘れをした部分を思い出すことができる。認知症は、体験全体を忘れているので思い出すことが困難である。例えば、物忘れの場合朝ごはんに何を食べたのか思い出せないことがあるが、考えていると思い出せる。認知症だと朝ごはんを食べたことすら忘れてしまい思い出すことが難しい。認知症の人が言うことを否定してしまうと不安にさせてしまうので違うことを言っていても抑え付けず同調してあげる。


参加者の声
正常な血管と動脈硬化について理解できました。
血糖コントロールの大切さがわかった。

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